平成29年度 春期に受験したシステム監査技術者試験。
自分の中では相当苦労するだろうなと思いながらも、結果は1発合格だった。
ただ、この背景には私の母親が病に倒れ、不安な状況の中で母親の頑張りと家族の支えがあった。
この記事では、合格した年度のシステム監査技術者試験の経験を踏まえて様々な情報を紹介する。
なお、この記事は私の旧ブログ「積み重ねを続けて、いつか大きな夢(資格)をつかもう!!」をリメイクしたものである。
システム監査技術者試験の結果
この試験を受験する年の1月に母親が倒れた。
生死の狭間に立たされるぐらい危機的状況だったが、母親がものすごく頑張って奇跡的な回復を遂げた。
この頑張りにものすごく影響を受け、私も必死に頑張ることを母親に誓った。
両親のこと、仕事のこと、自己啓発のことなどすべてにおいてやれることを最大限実施してきた。
その結果、母親の回復と試験合格という形になり、神様が与えてくれたご褒美のような結果であった。
最後まで諦めずに全力を尽くすことが非常に大切であると改めて教えてもらった試験であった。
苦労した試験対策
結果だけ見ると、1発合格でとても良い結果である。
しかし、試験対策中は合格できるとは思えなかった。
その理由は、「客観的な観点であるべき姿を提示する」必要があるからだった。
例えば、基幹システムを利用して損益計算書に影響を与えるような入力業務を行う場合を想像して欲しい。
業務を行う上で、人件費の削減などの効率化の観点と不正が入らないように相互牽制する観点がトレードオフとして発生すると思う。
システム監査技術者は、従来の入力業務と承認業務は一人で実施していたが、不正入金などのリスクを排除するためにこれらの業務を分担制にする。といった提言をしなければならない。
つまり、実際問題そんなこと無理じゃない?だって、人もお金もないんだもん!と実情を出し過ぎてはいけない試験だということ。
この試験は、問題文の中に「これを放置するとリスクがあり、経営的に問題が生じるポイント」が埋め込まれている。
そして、そのポイントを突いて、システム監査基準とシステム管理基準をベースに、リスクを排除する
ための助言をするもしくはリスク自体を答えさせる問題が多い。
システムエンジニアである私は、この感覚を得るのに非常に苦労した。
日常のリアルを捨ててシステム監査技術者になりきることが大切
システム監査技術者は、受験者の中でも経験者が少ない領域だと思っている。
つまり、システムエンジニアなど日常の業務内容と異なる方が多いと思われる。
私が問題を解くうえで常に頭に入れていた内容が以下4点。
- 〇〇されているか?
- 予防牽制機能(過失が入らないか?不正が入らないか?ダブルチェックされているか?)
- 誤謬適示機能(問題が発生したときに即座に検知できるか?)
- 修正回復機能(問題が発生したときに正しい状態に回復できるか?)
これらの内容を頭に入れた上で、次に必要となるのが監査プロセス。
監査プロセスには以下の4つがある。
- 監査計画の立案(中長期計画⇒基本計画⇒個別計画)
- 監査の実施(予備調査(監査証拠の入手)⇒監査手続書の作成⇒本調査(監査証拠の入手)⇒監査調書作成⇒評価・結論)
- 監査報告
- フォローアップ
午後Ⅰ試験では、上記プロセスの「2.監査の実施」が多いように思われる。
実際に問題としても出題しやすい部分だと思うので、必然的に多くなるのだと思う。
一方で午後Ⅱ試験では、問題文に合わせて上記監査プロセスの1.監査計画の立案~4.フォローアップのどこかにフォーカスが当たっていて、そこを中心に論述するもののそれ以外の監査プロセスの部分もさりげなくちりばめる必要があると思っている。
例えば、監査手続に関する問題であれば、
・●社の個別監査計画を基に、
・●●業務に関する予備調査を実施して、
・判明したことに対して監査手続書を作成した。
・そして、本調査を実施し、評価・結論を述べた。
といった感じだ。
システム監査技術者試験以外の試験区分は、これからシステムを構築することが中心となり、試験区分に違いはあれどある程度長い期間が設けられる。
一方で、システム監査技術者試験は、2~3か月の期間で4つの監査プロセスに従いながら、監査対象システムや業務に関する監査を実施し、報告をまとめてフォローアップするという流れになる。
この違いを頭に叩き込めるかが最初のステップになると思われるが、これが私の苦手なところだった。
システム監査技術者試験は嘘偽りってこと?
言い方の問題はあるが、スタンスとしては「これからシステム監査技術者になるかもしれないから、その事前準備として試験問題で疑似体験しておき、実際に業務に携わる際に更なる研鑽を行う」という考え方で取り組む方が良いと考えている。
要は、システム監査技術者になった「真似」をして、試験問題を通じて「疑似体験」するということ。
私の場合は、まさにこれだった。
特に午後Ⅱ試験では、問題にもよるが大枠として以下のような流れで論述する必要がある。
設問アでしっかりと論述に当たっての前提条件を書く。
設問イとウで予備調査で分かった状況と監査証拠を具体的に書きつつ、その中でどのようなリスク要因が潜んでいて、どの部分を本調査で具体的かつ現実的な手法で本調査するかを書く。
特に難しいのは、(設問ア~ウにかけて)一貫して入手した監査証拠を使って、どのように監査手続きを実施するかである。
ドキュメントかヒアリングになるのが一般的であるが、監査人が全てのドキュメントを査閲するのも現実的ではない。どうやって調査すれば、現実的に監査が行えるかを考えて論述する必要がある。
前述の通り、システム監査自体期間が短い期間で行われる。
決してシステム開発のような長いスケジュール感で論述してはいけないのだ。
つまり、監査手続書にしたがって本調査をする場面を想定したときに、一見正しいことを記述しているように見えても、実際に本当にそれできる?と採点官に思われてはNGなのである。
だから、システム監査技術者になった「真似」をして、自分がシステム監査技術者になったらどうやって行動するかということを前提に試験対策に取り組むべきと考えている。
おすすめの参考書
三好先生の午後Ⅰ記述本と午後Ⅱ論述本を使用することで、前述したようなシステム監査技術者試験に必要となる考え方や問題文の読み方、マークの付け方、解答方法などを学べる。
しかも、他の試験区分の情報も満載であり、システム監査技術者試験と他の試験区分とで考え方や解き方が異なる部分も良く理解できる良書!
当然、他の試験区分の対策もこの2冊で可能。
2冊買うことで5区分以上の試験対策ができるのもメリット!
もう1冊は落合先生の著書。
システム監査技術者試験に必要となる基礎知識の習得、過去問演習後の復習などに最適。
システム監査技術者試験を受験しようと考えている方は是非ご検討ください!
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