令和5年度 秋期 情報処理技術者試験の対策を進めている。
今回私が受験するのはエンベデッドシステムスペシャリスト試験。
昨年度までは午後Ⅰ、午後Ⅱ共に記述式であったが、今年度から午後Ⅱが論述式に変更となった。
情報処理技術者試験の論文試験は、何をどのように書けばよいかわからないという方も多いと思う。
私もその一人であった。
そこで、今回は情報処理技術者試験の論述方法の基本的な部分をご紹介したいと思う。
論述試験で最重要なのは問題文の趣旨に合わせること
自分の経験を語るのはまずいということかのぉ~
そうなんです。
論述式で解答する問題なので、問題文のケースに合わせて論述する必要があるんです。
私個人が論述試験でもっとも陥ってしまう失敗ではないかと思っている。
大前提として、情報処理技術者試験の午後Ⅱ試験で問われる問題なのである。
つまり、問題文に従って答案する必要があるのだ。
実際に様々なところで注意事項が書かれている。
まずは、情報処理技術者試験の試験要項を確認してみよう。
試験要項の午後Ⅱ(論述式)試験の評価方法について、以下のように記載されている。
ここで注目して欲しいのは、「問題冊子で示す”解答にあたっての指示”に従わない場合は、論述の内容に関わらず、その程度によって評価を下げることがある」という部分だ。
では、問題冊子にどのように書かれているかを追ってみよう。
赤枠で囲ったが、一番最初に「問題文の趣旨に沿って解答すること」と記載がある。
問題文の趣旨に沿ってとは問題文をより具体的に書くこと
問題文の趣旨に従わなければならないということは分かったが、具体性がないのぉ、、、
そこが最も難しいですよね。私なりに理解した内容を少し紹介してみたいと思います。
問題冊子に「問題文の趣旨に沿って解答する」ということは、いろいろな解釈があると思う。
ただ、問題文は参考情報ではなく設問に解答するための文章であることに注意して欲しい。
では、平成30年度 秋期 ITストラテジストの午後Ⅱ試験 問3を見てみよう。
テーマは「組込みシステムの製品企画戦略における市場分析について」である。
その後、20行ぐらいの文章があり、最後に設問ア~設問ウまでの設問がある。
ここで注意しなければならないのは、20行ぐらいの文章の内容を無視して、テーマだけで設問ア~ウを解答してはならないという点である。
この20行ぐらいの文章が設問を解答するための問題文なのである。
例えば、設問アを見てみよう。
設問アで問われているのは以下の2点である。
①新製品の概要・特徴
②企画に至った経緯
①と②の部分に対応する問題文の箇所は、以下の部分となる。
IoT、AIなどの新技術の影響で新製品の投入が活発となったという記述がある。
このようなケースに合わせる必要があるということだ。
例えば、このような感じだ。
①新製品の概要・特徴
体温測定機能付き顔認証技術を用いた入退室管理システム
②企画に至った経緯
新型コロナウィルス感染症拡大防止策が求められるようになり、顔認証技術の精度向上と
低コスト化により、バイオメトリックス認証技術を入退室管理システムに組み込みやすくなった。
繰り返しになるが、新技術の影響で新製品を投入するということを軸に論述する必要があるのだ。
このように、論述式試験は問題文に沿って受験生であるあなたの経験と考えに基づいて論述していくことが求められる。
言い換えると、問題文をあなたの考えと経験で説得力のある内容に具体的に落とし込んでいく作業ということなのだ。
論述する文字数は2,800文字が目安
問題文の趣旨に沿って書けば何文字でも良いのかのぉ~
少ない文字で済ませたい気持ちは分かります。
ただ、問題冊子にしっかりとルールが書かれています。
どの論述式の試験区分でも、問題冊子の裏表紙に設問ア~ウの記述量が指定されている。
まずは、その記述量を把握しよう。
再び、問題冊子を追ってみたいと思う。
しっかりと指定されている。
設問アは800字以内、設問イは800字以上1,600字以内、設問ウは600字以上1,200字以内である。
つまり、最小文字数は設問ア0字、設問イ800字、設問ウ600字の合計1,400字である。
ただ、これで合格は絶対不可能であると考える。
理由は、設問アに答えないからだ。
では、どれぐらい記述すればいいのという話になるのだが、2,800文字程度が適量ではないかと考えている。
設問アは、採点官に論文内容を添削してもらうためにしっかりと状況説明をする部分である。
設問イは、設問アの状況を踏まえて、具体的にどのような対策を行ったかを論述する部分である。
設問ウは、設問イまでの取り組みで結果的にどうなったかを論述する部分である。
これらを、受験生であるあなたの状況を知らない採点官に理解させ、説得させるためにはどうすればよいかを考える必要がある。
すると、やはり具体的な例を挙げながら受験生が論述する状況、対応、評価といったことを客観性をもって説明する必要がある。
これを達成しようとすると、設問アは700字前後、設問イは1,300字以上、設問ウは800字程度の合計2,800字ぐらいになる。
論述試験全般に役立つ参考書
情報処理技術者試験の論述試験でもっとも実績のあると思っている書籍を紹介したいと思う。
ITのプロ46の代表である三好先生の午後Ⅱ論述試験の参考書である。
論述試験区分が全てカバーされており、問題文の読み方からサンプル論文まで情報満載である。
特に論述試験で必要となる共通事項と試験区分ごとの対策方法が載っているため非常に勉強しやすい。
まず最初に手にすべき論述試験対策本である。
ただし、令和5年度秋期試験から論述式に変更となるエンベデッドシステムスペシャリスト試験は記載がない。ITストラテジストとシステムアーキテクトの組込みシステム部分を読むことで代用しよう。
試験区分ごとの論述試験対策本
論述試験は、全部で6区分ある。
プロジェクトマネージャ試験、システム監査技術者試験、ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、ITサービスマネージャ試験、エンベデッドシステムスペシャリスト試験である。
それぞれ、翔泳社の書籍がおすすめである。
私は、エンベデッドシステムスペシャリスト試験以外の論述式はすべて合格している。
その時に使用していたのは、三好先生の午後Ⅱ論述本と翔泳社の上記参考書である。
私はこれらの書籍で合格を勝ち取ってこれたので、おすすめの書籍たちである。
まとめ
今回は情報処理技術者試験の論述試験に関する論述方法と参考書籍を紹介した。
まだまだいろいろとお伝えしたいことがあるが、今日はここまでにしたいと思う。
最後に本日のまとめを行いたいと思う。
- 論述式試験は問題文の状況に沿って論述する必要がある
- 論述試験は問題文をあなたの考えと経験でより具体的にする作業
- 論述試験の論述する文字数の目安は2,800字
- 論述式試験対策本は午後Ⅱ論述本と各試験区分の参考書を使用することがお勧め
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