情報処理技術者試験の論述式試験の論述方法③

情報処理技術者試験

令和5年度 秋期 情報処理技術者試験の合格発表から1か月が経過した。

先日公式HPで採点講評が公開された。

ここには論述試験でA評価を得るためのヒントが凝縮されている。

私なりに採点講評から受験者に伝えたいメッセージを抽出し、具体的にどうすればよいのかを発信していきたいと思う。

今回は、論述試験においてなぜ問題文の趣旨に沿うことが重要かをまとめていきたいと思う。

採点講評には合格論文と不合格論文の差を伝えている重要資料!

師匠
師匠

採点講評とはなんじゃ?

Ys
Ys

IPA側で採点した結果の印象をまとめた総評資料です!

情報処理技術者試験の応用情報技術者試験および高度区分は、本試験後約2か月後に合格発表、合格発表後約0.5か月後に採点講評が公表される。

この採点講評には、これから受験する方、もしくは残念ながら不合格となってしまった方へのメッセージが凝縮されている

特に独学では対策しにくい論文試験においては、かなり重要なヒントがある。

令和5年度 秋期の論述区分の試験は、プロジェクトマネージャ試験、エンベデッドシステムスペシャリスト試験、システム監査技術者試験が行われたが、これらの採点講評をまずは見てみよう。

令和5年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 採点講評
令和5年度 秋期 システム監査技術者試験 採点講評

各試験区分共に「全問共通」部分があるが、これはどの試験区分にも当てはまる重要なメッセージだ。

ここから重要なポイントを抜き出すとこんな感じである。

  • 問題文の趣旨に沿っていない
  • 一般論の羅列は求めていない
  • 論述内容に具体性がなく表面的
  • あなたの経験と考えを問うている
  • 論述内容が分かりにくい
  • 試験区分ごとの基本的な部分が十分理解されていない

論文試験は一度合格してしまうと、お作法や記述内容の具体性のレベルなどが感覚的に掴める。

しかし、論文試験の初学者やまだ合格していない方にとってはここを掴むことが非常に難しい。

私も論文試験に合格するまではかなり苦労したし、様々な方からたくさん学ばせてもらった。

掴みどころのないところから読者の皆様にヒントをお伝えできるように、掘り下げていきたいと思う。

論文試験は問題文の趣旨に沿うことが絶対条件

師匠
師匠

採点講評からのメッセージはよくわかったが、どのように対策すればよいのかのぉ~

Ys
Ys

意識しながら論文ネタを集め、演習をこなすことです!

論文試験で最も評価を下げる解答は「問題文の趣旨に沿っていない」ことだと思っている。

受験者が好き勝手に論述するとどうなるかを考えてみよう。

私は、採点官が正しく評価できなくなると思っている。

なぜなら、採点官は受験者それぞれの経験やキャリアなど知らないからだ。

つまり、問題文の趣旨に従わない=公平に採点できない。

よって、どんなに素晴らしい内容でも公平に採点できないから評価を下げるしかないのだ。

以前にまとめた以下の記事も参考にして欲しい。

では、問題文の趣旨に沿うというのはどういうことなのかをもう少し深堀してみたいと思う。

令和5年度秋期エンベデッドシステムスペシャリスト試験午後Ⅱ試験問1の問題を見てみよう。

令和5年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午後Ⅱ試験 問1

まず、問われいていることは「組込みシステムの製品企画段階における脅威分析」である。

この時点で、以下2点の条件が与えられたことに注意しよう。

  • 組込みシステムの新製品の企画構想フェーズの話
  • 企画構想フェーズで脅威分析をしたときの経験や考えを知りたい

さらに問題文を読んでみる。

すると、さらにいくつかの条件が埋め込まれていることに注意しよう。

論述する際に盛り込まなければならないポイントをピックアップしてみる。

  • DXやIoTに関係する新製品の企画であること
  • 異業種からの参入による脅威があった企画であること
  • 既存市場なのか新規市場なのかを明確にすること
  • 社会情勢や競合他社の影響で調達リスクを抱えた企画であったこと
  • ファイブフォース分析で自社の強みと外部環境を分析したこと
  • 分析した内容から課題を抽出したこと
  • 抽出した課題のうち優先度の高いものを社内の関係部署と協業して解決したこと
  • 対策した結果の評価

上記が問題文が提示している条件なのだ。

そして、これが論文の骨子になるのである。

決して「組込みシステムの製品企画段階の脅威分析について」というテーマだけで、自分の経験や考えを論述してはいけないのだ。

仮に、テーマだけで自分の経験や考えを論述してよければ、問題文なんかいらないはずである。

そうではなく、問題文にちりばめられた条件があるから採点官も評価することができるのだ。

視点を設問に向けると、問題文とリンクしていることもわかるだろう。

問題文と設問を紐づけながら、状況説明→問題・課題→対策→評価の流れで論述できるようになっているのだ。

あとは、問題文の趣旨と論文内容を比較しながら、問題文の趣旨に沿っていればB評価以上、そうでなければC評価以下と振り分けされていくのである。

繰り返しとなるが、、、

どんなに素晴らしい内容でも問題文の趣旨に沿っていなければ自己満足論文になってしまうのだ。

第三者である採点官は、あなたの経験やキャリアを知らないから、その内容に対する評価ができないのだ。

よって、問題文の趣旨に沿って論述できるようになることがA評価を得るための最初のステップである。

まとめ

今回は、論述試験において「問題文の趣旨に沿う」ことの重要性についてまとめてみた。

最後に本日のまとめを行いたいと思う。

  • 採点講評はIPAが受験者に伝えたいメッセージの宝庫
  • 論述試験のおいて「問題文の趣旨に沿う」ことは絶対条件

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