午後Ⅰ試験で大苦戦したプロジェクトマネージャ試験合格体験記

プロジェクトマネージャ

平成27年度 春期 情報処理技術者試験で合格したプロジェクトマネージャ試験。
午後Ⅰ試験の突破に苦労を重ねたが4度目の受験で合格することができた。
旧ブログ「積み重ねを続けて、いつか大きな夢(資格)をつかもう!!」の学習記録を要約して、プロジェクトマネージャ試験の対策や合格体験記をまとめたいと思う。

プロジェクトマネージャ試験とは

13区分ある情報処理技術者試験の1区分。
レベル4の高度区分に該当し、午後Ⅰ試験は記述式、午後Ⅱ試験では論述式での試験となる最難関資格

この試験の概要は、システム開発プロジェクトの責任者として納期・品質・コストを順守するためにコスト管理やスケジュール管理、品質管理、コミュニケーション管理などのPMBOKの知識体系に基づくプロジェクト管理能力を評価する試験である。

プロジェクトマネージャ試験の詳細はIPAのHPにまとめられている。(詳細はこちら)

合格率は、新試験制度(平成21年度~)になってからの平均値として13.4%である。
(IPAの統計情報資料はこちら)

プロジェクトマネージャ試験合格までの道のり

平成27年度 春期 プロジェクトマネージャ試験で合格を勝ち取った。
しかし、合格するまでにかなりの時間を要した
合格までの道のりは以下の通り。

 平成24年度 初受験:午後Ⅰ試験まで合格水準を満たすも、午後Ⅱ試験でB評価で不合格。
 平成25年度 2回目:午後Ⅰ試験で基準点の60点を獲得できず不合格。
 平成26年度 3回目:2回目同様に午後Ⅰ試験で不合格。
 平成27年度 4回目:合格!!!

見ての通り、順風満帆ではなく挫折の方が多かった
しかし、積み重ねを続けていくことでしっかりと合格することができた

プロジェクトマネージャ試験合格のカギは午後試験にあり!

この試験区分は、とにかく午後Ⅰおよび午後Ⅱ試験が全てと言っても過言ではない。
というのも、ほぼ大半が午前Ⅰ試験免除の受験者であり、午前Ⅱ試験でそのうちの大半が突破する。
つまり、レベルの高い受験者の中で午後Ⅰ試験と午後Ⅱ試験を戦わなければならないからだ。

合格当時の私の年齢は34歳。
合格者の平均年齢は38歳前後。
経験が圧倒的に足りないため、疑似経験で勝負するしかなかった。
そんな私が取った学習プロセスを少し紹介する。

<午後Ⅰ試験対策>
 過去問演習を徹底的に行う。
 具体的には、9年分以上の午後Ⅰ試験過去問題を最低3巡は繰り返した。

<午後Ⅱ試験対策>
 自分が書けそうな問題をいくつかチョイスし、本番の試験と同じ時間(=2時間)を計測して論述する。
 この試験の論述試験は文字数が規定されており、2,200字~3,600字の間で論述する必要がある。
 私は論述する記述量を平均2,800字程度に収まるようにした
 理由は字数が多ければ良いというものではないからだ。
 文字数を多く書こうとすると冗長になってしまい、かえって減点されてしまうからだ。
 問題文の趣旨に沿って、採点官に状況や課題、対策を明確にしながら具体的に書く訓練をする。
 その際に、第三者に添削してもらうことをお勧めする。

プロジェクトマネージャ試験の午後試験対策として使用した書籍はこちら。

三好先生のこの書籍は圧倒的な付加価値がある
例えば、問題の読み方、マークの仕方、この状況でこの設問が来たらこの解答、IPAが公表している解答例に行きつく根拠、論述式試験の問題の読み方、論述方法など相当量の情報が詰まっている。

また、過去問題とその解説量がとんでもなく多い
特典サイトから過去問題と解説がダウンロードできるだけでなく、解説の質も相当高く分かりやすい。
三好先生の書籍では至る所に「解答が端的・具体的で第三者に伝わる表現が重要」という旨の記載があるが、それが解説にも反映されており、まさに解答プロセスから模範となる素晴らしい内容なのだ。
正直、この1冊があれば午後Ⅰ試験対策と午後Ⅱ試験の論述方法の習得は十分である。

また、私も掲載させてもらったが、合格体験記で実際に合格を勝ち取った方の学習方法などが多数掲載されているため、実際にどうやって合格を勝ち取ったのかがいろいろなパターンで掲載されている。
この合格体験記から自分に合うモデルケースを選び、そのモデルケースに従って学習することもできる。

午後Ⅰ試験で苦戦していたのをどうやって克服した?

当時の私は、この試験の午後Ⅰ試験に苦手意識があった。
初回受験以上に午後Ⅰ試験対策を実施したにもかかわらず、2回目、3回目受験時の午後Ⅰ試験で得点が後退したのだ。
2回目、3回目に受験した本試験問題の得意、不得意もあったと思う。
しかし、真の原因は解答プロセスにあった。

私の自己分析の結果は、第三者である採点官に的確に伝わる解答が書けなかったという結論に至った。
そこで、上記の三好先生の書籍を改めて読み直し、徹底的に解答プロセスを見直した。

特に意識したのは以下3点。
 ・問題文を読んで自分が思いつく解答をそのまま書くことが本当に採点官の望む答えになるのか?
 ・自分では解答例のように書いているつもりでも、どうして解答例とかけ離れていくのか?
 ・間違った設問の解答に必要となるヒントを問題文からどうして拾えなかったか?

問題文で使われている用語と自分が解答に使う用語が異なると、採点官に「言いたいことはわかるが微妙に違うんだよな」といった印象を持たれてしまう可能性に気付けた。
そして、それが減点につながる可能性もあると考えだした。

それ以降、解答はできるだけ問題文で使われている用語を使い、試験問題の中でしっかりと会話のキャッチボールをする必要があることに気付けた。
また、問題文の中から解答のヒントになりそうな部分をマーキングする練習をすることで、解答するまでの時間を短縮することができた
これによって、設問ごとの時間の使い方が均一化され、安定して解答欄をすべて埋めることができるようになった
その結果、得点もアップすることができた。

これらがこの試験区分の学習プロセスで得たものだった。

午後Ⅱ論述試験はどうやって突破した?

論述試験だけは上記のテキスト兼問題集を使用しながら、以下の書籍も活用した。

論述試験対策は最初はとても時間がかかる
私は合格までに4年かかっているが、並行してシステムアーキテクト試験も4年かけて合格している。
この後、ITサービスマネージャ、システム監査技術者、ITストラテジストの順に論述試験に合格していくが、ここで積み重ねた苦労はのちに短時間の対策で合格できるようになっていたのだ。
だから、最初は大変かもしれないがここから逃げないで欲しいと切に願う

対策プロセスとしては以下のような感じだ。
 ①自分が解けそうだと思う問題を過去問題から選び、実際に論述する。
 ②第三者に添削してもらい、課題を把握する。
 ③課題をクリアするためのインプット学習をしたうえで再度同じ問題で論述する。
 ④B評価以下であれば②に戻る。A評価レベルになれば、①に戻り別の問題に取り組む。

私がこの試験区分の論述試験対策で強く意識した点は以下の通り。

  1. 論述の基礎を不自由なく使えるようにする。
    • 2,800字程度論述する
    • 問題文と設問に答える
    • 具体的に論述する
    • 第三者に伝わるように書く
  2. プロジェクトの制約や特徴を踏まえて設問イやウを展開する。
  3. 設問イや設問ウの論述内容が、なぜ設問アで述べたプロジェクトだと工夫または解決したことに繋がるのかを具体的に論述できるようになる。
    プロジェクトの特徴=制約の中で、設問イや設問ウで論述した対策や工夫なら確かに分かるよねと採点官に納得してもらえるように、具体的に論述できるようになることを目指す。
  4. プロマネは本来一度立てた計画は変更したくない。だから兆候をとらえるまで静観し、このままいくと本当に目標を達成できなくなると判断したところではじめて計画変更する。その際に、計画変更によるリスクも忘れないことを意識できるようになる。
    問題が発生しました→即対応しました→解決しましたのストーリにすると、だったらなんで計画時点でそうしなかった?って話にならないように気を付けて論述する。

プロジェクトマネージャ試験合格後に気付いた重要なこと

この試験区分を勉強したことで、プロジェクトマネージャに関する専門知識やコミュニケーション能力、文書力など様々な部分で実務に活かせるものが身に付けられた
また、情報処理技術者試験の高度区分合格に必要な勉強方法なども身に付けることができた

情報処理技術者試験の高度試験区分のうち、論述試験は本当によくできていると思う。
当然その試験区分の問題が出されるわけだから、午後Ⅰ試験に出題された問題なら午後Ⅱ試験でも出題される可能性があるのだ。
また、その逆も然りである。

午後Ⅰ試験と午後Ⅱ試験の違いはシンプルなものに集約されると思っている。

午後Ⅰ試験は、問題文に沿って設問に端的かつ的確に解答する。
午後Ⅱ試験は、問題文の設定に従ったうえで採点官にプロジェクトの状況を伝え、「この条件の中でできる対策や工夫はこうだったんだよ。だから、関係各所に調整をとって、問題を解決したんだよ。」ということを矛盾なく一貫性を持って具体的に論述する。

これだけの違いだと思っている。

つまり、午後Ⅰ試験と午後Ⅱ試験は別々に勉強をするのではなく、同時に勉強することでベースアップが図られ、相対的に知識が向上し、得点も伸びていくようにできているように感じている。
そして、過去問題を通じて疑似経験をすることで、実際のプロジェクトで似たような状況に遭遇した時にも1つの選択肢として使えるようになると考えている。

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