4回目で合格できたITサービスマネージャ試験

ITサービスマネージャ

システムアーキテクト合格後に受験したITサービスマネージャ試験。

情報処理技術者試験はシステム開発にフォーカスが当たった試験区分が多い。

その中で、ITサービスマネージャ、ITストラテジスト、システム監査技術者だけはこの経路から外れる。

開発系中心だった私が初めて運用系の試験区分であるITサービスマネージャを受験したところ、かなり苦戦した。

ここでは、合格までの道のりと苦労した点をお伝えしたいと思う。

なお、この記事は旧ブログ「積み重ねを続けて、いつか大きな夢(資格)をつかもう!!」をリメイクしたものである。

ITサービスマネージャ試験の結果

4回目で合格したITサービスマネージャ試験。

実務では開発も運用も両立して行ってきたが、試験ではなかなか合格することができなかった。

一番の原因は、ITサービスマネージャとしての考え方になかなか切り替えられなかった点だ。

この原因により、午後Ⅰ試験の突破に相当苦労した。

合格までの道のりは以下の通りである。

 平成27年度:午後Ⅰ試験であと4点足りず、56点で不合格。

 平成28年度:またしても午後Ⅰ試験で不合格。前年から1点あがり57点だった。

 平成29年度:呪われたかのように午後Ⅰ試験で不合格。今度は51点に下がる。

 平成30年度:午後Ⅰ試験83点、午後Ⅱ試験A評価でぶっちぎりの合格!!!

大苦戦した午後Ⅰ試験の克服方法

師匠
師匠

ずいぶんと午後Ⅰ試験に苦戦したようじゃの~

superrunx
superrunx

はい。開発プロジェクトの考え方から抜け出せなかったのが最大の敗因でした。

普段の業務がシステム開発プロジェクト中心の方は特に注意が必要な試験だと考えている。

ITサービスマネージャは「業務影響を与えないようにシステム運用するための管理者」なのだ。

つまり、この原則の中で試験問題を解く必要がある。

具体的には、以下のポイントをおさえる必要があると思っている。

  • システム運用と業務運用の違いを理解する
  • 業務アウトソーシングと勘違いしない
  • ITILの考え方をしっかりと叩き込む

ITサービスマネージャ試験の午後試験ではITILの用語を使いこなして解答するようなことは求められない。

ただし、ITILの考え方やプロセスを理解した上で運用のあるべき姿を考えると自分が一番理解しやすいと感じている。

そして、採点官に対しても自分の解答が一般的な運用のフレームワークに従ったものであることをアピールできるため、結果として正解もしくは部分点が得られるようになる。

アウトソーシングは委託であるため、何でもアウトソーシングすることが良いというわけではないことにも注意する。

例えば、運用ノウハウが流出したり、管理が及ばず認識祖語によりインシデントが発生する、責任の所在が不明確になるなどの問題が山積してしまうのだ。

つまり、システム開発プロジェクトのように、要件定義(非機能要件含む)に従い、基本設計~運用テストまでの工程を踏んだうえで顧客に納品するまでの比較的短い期間で行われるプロセスを問われるのではないのである。

むしろ、システムが稼働した後、システムの仕様や制約の中で業務運用に影響を与えないように計画→実行→評価→改善を繰り返すという長い期間で行われる運用業務に関するプロセスを問われるのである。

考え方を変えた後に見えてくる世界

システム運用や業務運用は、必ずしもすべてをシステム化する必要はない

ただし、重要となる考え方の例として、見える化、誰が対応しても品質を維持できる仕組みの構築、ナレッジの共有などが挙げられる。

開発したシステムが運用に乗り出すと、業務要件の追加によるデータ量増加や利用者の増加、障害発生時のインシデント対応、問題管理、要員管理、SLA、リリース展開管理などさまざまなことを考慮しながら業務を行う必要がある。

そして、このような様々な業務に対して「属人化を排除」した上で、だれでも「同じような品質・行動をとれなければならない」のである。

また、効率化という観点も必要になる。

優先度が高くないが警告レベルのアラート検知をたくさん受領した場合、「念のための確認」という無駄(とまでは言わないまでも)なプロセスが入る。

このプロセスが積み重なると、相当な時間を費やしていることにつながる可能性が出てくる。

これを放置すると、運用要員の削減や予算削減に対応しようとしてもできない。

今までと同じSLAで品質高く行動するためには「改善」が必要になる。

ITサービスマネージャは、縁の下の力持ち的な存在にならなければらないということに気付く必要がある。

お勧めする書籍

午後Ⅰ試験、午後Ⅱ試験の解き方やITサービスマネージャ試験の考え方は、三好先生の「午後Ⅰ記述式」本と「午後Ⅱ論述」本の一択と考える。

この2冊は、他の記事でも記載しているが、なんといっても他の試験区分と比較して読める。

つまり、ITサービスマネージャ試験でやってはいけない考え方や解答の仕方が理解できる。

そして、ITサービスマネージャの基礎知識から過去問題まで広くカバーしているのが、金子先生の「うかる!ITサービスマネージャ」本である。

この書籍を用いてITサービスマネージャに必要となる基礎知識を十分に蓄えながら、過去問演習を行って欲しい。

過去問演習後に自己採点するだけでなく解説まで読むことで、なぜそのような解答になったのかが十分理解できるようになっている。

テキストと過去問の両方が掲載されており、解説も充実している点が非常におすすめする理由である。

この記事が受験を考えている方の役に立てれば非常にありがたい。

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