エンベデッドシステムスペシャリスト試験の論述対策②

エンベデッドシステムスペシャリスト

令和5年度 秋期 情報処理技術試験まで1か月をきった。

今年度よりエンベデッドシステムスペシャリスト試験の午後Ⅱ試験が論述試験に変更となる。

私はストラテジスト系の問題で一択で準備を進めているが、情報が圧倒的に少ない。

そこで、今回は平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問3を使用して論文骨子の作成をしながら、必要とされるあなたに少しでも有益な情報発信をしていきたいと思う。

なお、私は日常はエンタープライズ系のシステムが中心であり、組込みシステムの経験がない。

疑似体験として、身近にある自動販売機を題材に論文骨子を組み立ててみたいと思う。

ステップ1:問題文の読み込み

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まずは問題文を読込んで問われている内容や状況を把握するよ。

平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ試験 問3

まずは、問題文を見てみよう。

この問題は、既存製品に対しての性能向上や機能追加を目的とする製品企画の問題である。

まず、この論述をするうえで大事なことは既存製品が主軸になるということである。

よく売れている既存製品でも改善を加えていかないと廃れてしまい、気付けば売れなくなる。

こういったことはよくある。

そうならないように、市場での競争力を強化しながらシェアを拡大し、業績を伸ばしていくことが求められる。

問題文の最初の段落では、既存製品の改良により市場での競争力を高めるための製品企画という状況設定しているよというメッセージである。

問題文の2つ目の段落では、製品企画する際に既存製品に対して求められる社会的要請やニーズを見極めながら、問題文に例示されているような項目を考慮して製品企画を実施することが重要であると書かれている。

ステップ2:段落タイトルの検討

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設問ア~ウの内容を読んで、段落タイトルを決定するよ

問題文の読み込みが終わったら、次は段落タイトルの検討である。

設問部分を見てみよう。

平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ試験 問3

設問ア~ウの内容を活用して、以下のように段落タイトルを設定する。

第1章 機能追加を目的とした組込みシステムの製品企画の背景と概要
第2章 製品企画を立案する際に調査・検討した項目及びその内容
第3章 製品企画に盛り込んだ内容、実現するための配慮、製品企画に対する評価

ステップ3:設問アの論文骨子

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段落タイトルの検討が完了したら、次は論文骨子を考えるよ!
設問アは設問イにつなげるための概要を伝えることを意識しよう。

論述試験では、設問ア~ウの内容だけでなく、問題文の記載内容も加味する必要がある

まずは設問アから見てみよう。

平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ試験 問3

設問アでは、既存製品の性能・機能、特徴とともに今回の製品企画の背景と概要を書いてねと指示している。

自動販売機をテーマに、既存製品の概要や特徴を踏まえたうえで、機能追加を目的とした組込みシステムの製品企画の背景と概要を書くための骨子としては以下のように考えた。

第1章 機能追加を目的とした組込みシステムの製品企画の背景と概要

・既存製品の自動販売機は、在庫管理や商品管理、売上管理などの基本機能に加えて、ディスプレイを設けて、設置場所や時間帯で売れ筋商品のCMを流すことができる機能が特徴
・自動販売機に広告機能を搭載したディスプレイ搭載型自動販売機は、業界初の試みであり、当時は画期的な自動販売機としてたくさん設置してもらえた
・同業他社もすぐに類似機能を搭載した自動販売機を市場投入したことで、現在では当時の強みが強みでなくなってしまった
・これまでは地域や時間帯で一律で売れやすい商品を広告してきたため、その地域に適した清涼飲料水の提供ができず、売れるところは売れるが、売れないところは売れないという状況が起きていた
・同業他社とのシェアの奪い合いで売上が伸び悩んでいる状況を打破したい
・次世代自動販売機を市場投入して差別化を図り、シェア奪還とDX化を目指すために、製品企画を行うこととなった

ステップ4:設問イの論文骨子

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設問イは合否を決定すると言っても過言ではない部分!
ここをしっかりと考えていく必要がある

設問イを見てみよう。

平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ試験 問3

設問イの内容はさらっとしているが、実はここも問題文の状況に合わせる必要がある。

具体的には以下の箇所である。

平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ試験 問3

問題文には、性能・機能に対する社会の要請ユーザニーズの見極め例示された考慮事項などを盛り込むことが重要と書いている。

これらの内容を盛り込んだ私の骨子は以下通りである。

第2章 製品企画を立案する際に調査・検討した項目及びその内容
2-1 自動販売機利用者のニーズの深堀
・電子マネーやQAコード決済が主流となり、現金を持ち歩く利用者が減ってきた
・スマフォを活用することで利用者の負担軽減を図るのが効果的
・簡単、分かりやすい、特典などの利用者にベネフィットがあるアプリが好まれる
・アプリ動作の快適性は必須要件
・スマフォアプリからおすすめ商品など提案型アプリの方が利用者は使いやすい
・アプリは無料ダウンロードできないと利用してみたいと思わない
・アプリ開発コストを商品に転換してしまうと客離れが進んでしまう
2-2 SWOT分析
・SWOT分析で外部環境分析と内部環境分析を行う
・外部環境分析
  - 競合他社も類似戦略を投じてくる可能性
  - 異業種メーカとタッグを組んだ次世代自動販売機を市場投入してくる可能性
  - 省エネルギー化は社会的要請
  - DX化の促進
・内部環境分析
  - 自動販売機向け組込みシステムの開発経験が強み
  - 保有技術は申し分なし
   (システムアーキテクト、エンベデッドスペシャリストで計15名在籍)
  - 自社開発で対応可能のため、低コスト・短納期で対応可能

ステップ5:設問ウの論文骨子

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最後の設問ウは疲労も蓄積されて時間も余裕がない状況となる。
設問イまでの流れのまま、一気に書ききろう!

では、設問ウを見てみよう。

平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ試験 問3

設問ウで初めて製品企画で盛り込んだ性能・機能の内容が問われている。

また、配慮した内容や評価が登場する。

つまり、設問イまでで製品企画のプロセスを解答し、設問ウでその結果としてどのような性能・機能を盛り込み、その企画を実現するために配慮したことは何かが問われているのである。

これらの内容を盛り込んだ私の骨子は以下のとおりである。

第3章 製品企画に盛り込んだ内容、実現するための配慮、製品企画に対する評価
3-1 製品企画に盛り込んだ内容
・製品企画した組込みシステムは、スマフォアプリ連動型自動販売機
・スマフォアプリの登録情報と購買データを活用
 - 地域、性別、年代、時間帯などから売上動向を把握し、自動販売機ごとに販売計画を立案
 - 利用者の登録情報と購買データを活用した商品提供と広告宣伝によるきめ細かな販売
・AIによる販売計画や売上予測
・利用状況に応じたクーポンなどの特典機能とサブスク契約による顧客の囲い込み
3-2 製品企画を実現するための配慮
・スマフォアプリ連動型自動販売機の利便性
 - スマフォのBluetooshで自動接続
 - 自動接続した自動販売機の商品をアプリに自動で一覧表示
 - 利用者の好みの商品と関連商品を目立つように表示
・購買データ収集の容易性
3-3 製品企画に対する評価
・製品企画は承認され、スマフォアプリの開発も無事完了
・スマフォアプリ連動型自動販売機は設置が進み
・アプリダウンロード数も100万を超え、関東圏を中心に購買データも集まってきている
・AIによる販売計画や売上予測の精度が向上

論述試験対策にお勧めの書籍

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参考書籍を紹介するよ!

論文試験全般に対応しているみよちゃん本。

この書籍はこれまでも紹介してきたが、何度でも紹介したい良書。

論述の仕方や問題文の読み方、合格論文と不合格論文の違いなど、惜しみなく情報提供してくれている素晴らしい書籍。

初めての論述区分に挑戦される方もそうでない方も、この書籍はコスパが良いだけでなく、いつまでも使える内容となっている。

また、試験対策だけでなくビジネスにおいても参考になる情報が盛りだくさん。

こちらを活用することで論述試験に対するハードルが下がると思うので、読んでいただきたい一冊だ。

まとめ

今回は、令和5年度 秋期 エンベデッドスペシャリスト試験直前対策として、過去問題を使用して論文骨子の作成を行ってみた。

問題文を読み間違えないようにしながら論文骨子を考えるだけでもかなり違うと思う。

まだ時間は残されているので、やれることはやっていきたいと思う。

最後に今回の内容をまとめてみたいと思う。

  • 今回の題材は平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問3
  • この問題は製品企画のプロセスが問われている問題
  • 設問アは製品企画に至った背景と概要を書く(製品企画した製品の概要ではない)
  • 設問イは製品企画を行う上で調査した項目と内容(製品企画のプロセスが問われている)
  • 設問ウで製品企画した内容と配慮、評価をまとめる

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