基本情報技術者はなるべく早くから学習をスタートさせた方がいい。
世の中にはITで溢れかえっており、目にしないところはないと言っても過言ではない。
特にシステムエンジニアなどのIT関係の仕事を目指そうとしている大学生のあなたは、まず基本情報技術者試験の合格を目指してほしい。
この試験合格までのプロセスで得るものは授業では身につかないものも多々ある。
私はこれがあったから、就職活動や社会人になって現場配属した後にかなり助けられた。
基本情報技術者とは
いきなりの質問で恐縮じゃが、基本情報技術者とはなんぞや?
情報処理推進機構が実施するエントリレベルの国家試験です!
基本情報技術者試験は、経済産業省が認定するITエンジニアの登竜門的な位置づけの国家試験である。
試験の概要は以下の通り。
- コンピュータを使用して受験者のタイミングに合わせて受験できる
- 午前試験と午後試験に分かれる
- 午前試験と午後試験は別日で受験することが可能
- 試験時間は午前試験、午後試験共に150分ずつの計300分
- 解答形式はマークシート
- 合格基準は午前試験で60点以上、午後試験で60点以上取得すること
午前試験の範囲から紹介していこう!
基本情報技術者試験の試験範囲は広範囲におよぶ。
まずは、午前試験の試験範囲をシラバスより抜粋したいと思う。
ITパスポートよりもレベルも1段階あがり、難易度もそれ相応に上がる。
午前試験の範囲を見ていただくと分かる通り、ITエンジニアの登竜門だからと言って技術的なことばかりではなく、管理系や経営系の問題も出題される。
テクノロジ系は、2進数の計算やベン図などの数学的要素、コンピュータの基礎、データベース、ネットワーク、セキュリティなどの専門技術要素、システム開発やソフトウェア開発などの専門技術を応用したものなどが問われる。
マネジメント系は、PERTやガントチャートなどのプロジェクト管理基礎、ITILなどのITサービスマネジメント基礎、ガバナンスや監査方法などのシステム監査基礎などが問われる。
ストラテジ系は、大学で学ぶような経営工学的な内容全般が問われる。
次は午後試験の範囲だよ!
シラバスに記載されている主要範囲は以下の5点である。
- プログラミング全般に関すること
- プログラムの処理の基本要素に関すること
- データ構造及びアルゴリズムに関すること
- プログラミングの諸分野への適用に関すること
- 情報セキュリティの確保に関すること
令和4年度までは午後の試験でプログラミング言語が問われるが、それも今年度で終了。
来年度からは疑似言語のみに置き換わるとのこと。
プログラミングスキルはやはり重要な要素となるため、是非今年度受けて合格して欲しいと思う。
基本情報技術者を取得するメリット
学習プロセスにこそ成長する要素が詰まっている!
基本情報技術者試験を受験するタイミングは、早ければ早い方がいい。
特に学生の方で将来システムエンジニアなどを目指そうとしている方は、是非学生のうちに合格を勝ち取ってほしいと考えている。
その理由は、実際に社会人となり現場に配属されてから繰り広げられる先輩たちの会話に自力で何とかついていくことができるからだ。
それはなぜか。
前述の通り、午前試験ではテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジスト系と幅広い部分から知識が問われる。
新しい用語は当然生まれるが、覚えた知識はそのまま自分の中で生きてくる。
新人→中堅→ベテランと経験を重ねていけば行くほど仕事の幅も広がり、求められる深さも深くなる。
役職に就けば、当然経営的な要素やプロジェクト管理、品質管理、運用管理などの各種管理的な要素も必要になってくる。
その時に、その領域で仕事をしていくためにはどうしても学習が必要になる。
そこで役に立つのが基本情報技術者で学ぶ内容なのだ。
基本情報技術者試験で問われる内容は、ITエンジニアの基礎レベルとして理解しておいてほしいものが出題される。
つまり、現場で必要となる最低限の内容が詰まっているのだ。
だから、早くからこの試験の学習をしておけば、実際に社会人となり現場で仕事をするようになった時には担当する業務と上位の試験区分の学習に時間を割くことが可能になる。
また、あなたが大学生で情報系の工学部に所属している場合は、授業で習う内容と重なる部分もかなり多いと思う。
そのため、授業の理解が深まり、定期テストも楽になる可能性が高い。
授業で理解が深まると、基本情報技術者の試験勉強もより理解が進むため相乗効果が高い。
基本情報技術者試験に限った話ではないが、情報処理技術者試験は偏りが少なく総合的な試験で良くできた試験である。
これを活用することで体系立ててITエンジニアが必要となるスキルを疑似体験できるのだ。
将来のための基礎固めであることを忘れてはならない
基本情報技術者試験に合格すれば現場で一人前になれるということかのぉ?
残念ながらそれは違います
基本情報技術者試験は、午後試験ではプログラミングに関することも出題される。
ITエンジニアの職について最初に携わる業務としてプログラミングがかなり多いと思う。
この試験はそこにフォーカスを当てており、午前試験でITエンジニアが必要とする最低限の基礎知識を習得させ、午後試験で仕様書を理解してプログラミング・テストする能力を身に付けさせたいと推測する。
しかし、午前試験、午後試験共に「最低限の基礎知識」しか問われないのである。
午前試験は試験範囲の用語をどれだけ理解しているか、午後試験は素質があるかの2点しかないのだ。
特に、午後試験はプログラミングに関することにフォーカスが当たっているが、C言語やJavaなどに特化した試験と言うよりかは、仕様を読み取ってプログラムを完成させたり課題を解決したりする訓練をする程度でしかない。
だから、この試験に合格したら現場でも一人前としてバリバリできるかというとそれは違う。
現場で仕事をするためのコミュニケーションを円滑にして業務内容を理解し、プログラミングの業務を行ううえでのプロセスや注意すべき内容を理解して業務を遂行するための疑似体験なのである。
不合格になっても合格するまで諦めない
学生の皆さんは、是非合格するまで諦めずに受験し続けて欲しい。
私もこの試験に出逢ったのは高校2年生のころだった。
この時点でシステムエンジニアになる夢があり、当時の学校の先生から進められて受験した。
しかし、結果は「不合格」。
そこから、大学3年生の春まで計7回受験した。
合格まで費やした学習時間は相当なものだった。
しかし、この時の苦労はそのあと私に大きな武器と防具を与えてくれた。
就職は希望通りITエンジニアになることができ、同期よりも仕事を多くこなすことができた。
また、転職でより大きな仕事ができるようになり、今でも情報処理技術者試験の学習を継続することができている。
「基本情報技術者試験なんて取っても意味がない」
このような残念な言葉をたまに耳にする。
しかし、私は大いに意味があると思っている。
それは、ITエンジニアとして必要となる最低限の基礎知識を身に付けることで、より高度なIT人材を目指すための土台形成がしっかりできるからだ。
基本情報技術者の合格=業務に役に立たない ではない。
基本情報技術者の合格=飛躍するための階段の1段目を昇る ということなのだ。
基礎がなければ何も始まらないということを忘れて、業務に役立たないという発想にならないように注意しよう!!
そして、それに気づいたあなたはライバルよりも1歩先に進んでいると自信を持とう!
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